第十章 病院へ戻りたくないとわがままを言った彼女

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俺は眠っている真由香にそっとキスをした。 真由香はびっくりして、俺を見つめた。 「大我、おはよう、どうしたの?」 「おはようのキスをしにきた」 「えっ」 俺は真由香の手を頭の上でクロスさせて、激しいキスをした。 真由香は思いっきり感じてる声を上げた。 俺は真由香への思いを抑えることが出来ず、はじめて舌を割り入れた。 「待って、息出来ないよ、大我じゃないみたいだよ、どうしたの」 「真由香の部屋で俺宛ての手紙を見つけた」 「やだ、もう見ちゃったの」 「俺は真由香の気持ちを全く考えないで、真由香の身体のことばかり気にしてた、医者としてはいいが、真由香の夫としては失格だな」 「そんなことないよ、私にとって大我はすごく素敵な旦那様だよ」 「そうか」 俺は照れくさくて俯いた。 「おい、朝から仲がいいな」 そう言ってニヤッと口角を上げて笑ったのは最上だった。 「最上先生、おはよう」 「おう」
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