第十章 病院へ戻りたくないとわがままを言った彼女

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「最上先生なんて大っ嫌い」 私は布団の中から叫んだ。 「おい、俺に対して怒ってるのか、それはないぜ、俺は真由香の担当医だぞ」 「最上先生と話したくない、出て行って」 私は布団の中でワンワン泣いた。 「そうかよ、勝手にしろ」 最上先生は病室を出て行った。 誰も悪くない、最上先生は私の病気を一生懸命に治そうとしてくれたのに、ひどいことを言っちゃった。 それから外来も終わり、病院内は静かになった。 そんな時、外来を終えた俺は最上の元を訪れた。 「どうだ、真由香の様子は……」 「分かんねえけど、俺、すっかり嫌われた」 俺は最上の言ってることが理解出来ずにいた。 「大っ嫌い、出て行ってって言われた」 「真由香はどうしたんだろうな」 「分かんねえ、お前が様子見てこいよ」 俺は真由香の病室に向かった。 「真由香、まだ傷口痛むか」 真由香は俺の方に向きを変えて、泣きながら抱きついてきた。
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