第十一章 彼女を愛する決意

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第十一章 彼女を愛する決意

「どうした、寂しかったのか」 肩を震わせてひくひく泣きじゃくっていた。 「あのね、最上先生にひどいこと言っちゃったの」 「何を言ったんだ」 「大嫌いって」 「なんでそんなこと言ったんだ」 「あのね……」 真由香は急に黙った。 駄目、もしかして大我はまだ知らないかも、私が癌だって知ったら落ち込んじゃう。 そんな可哀想なこと出来ないよ。 私は涙を拭って、笑顔を作った。 「なんでもない、ちょっとおへそが曲がっちゃったの」 「そうか、じゃあ、後で謝るんだな」 「うん」 それからたわいもない話をして大我は病室を後にした。 俺は真由香は何かを隠していると察した。 いつもは俺に不満をストレートにぶつけてくるのに、今日の真由香は違っていた。 それからしばらく平穏な日々が流れた。 でも、真由香は少しずつ、心のバランスが取れなくなり、ふらっと屋上へ上がって行った。
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