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―――数時間後。
静かな空間で、女は目を覚ました。
「…あれ、私寝ちゃってた?」
そこはホテルの一室。
何も身に付けていない身体は、ブランケットに包まれている。
「そうか…帰ってしまったのね」
ベッドから起き上がった途端、尻に痛みを感じて彼女は軽い悲鳴を上げた。
「嫌だ、ヒリヒリする。
私もあの人もかなり楽しめたのかな」
立ち上がってバスルームでシャワーを浴びながら、一時の営みを思い出す。
行きつけのお店で出会った、なかなかお目にかかれない「良いオトコ」。
酒の勢いでホテルに直行してしまったが、久しぶりに楽しめた。
「私の趣味ってなかなか言い出せないから、困るのよね」
女…橘美琴(たちばなみこと)は、服を正して何事も無かった様にホテルを去った。
この話は彼女と、彼女を取り巻く人とのある物語である。
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