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午後3時。
真琴は自分の部屋で、パソコンの画面越しに対話をしていた。
「橘さん、―――のファイル確かに受け取りました。
毎回締め切り前に仕上げて頂いて、本当に助かります」
「コチラもやり甲斐があります」
画面に映る男性に、真琴は微笑む。
ある企業向けに仕事を請け負っている…いわゆる在宅ワーク、だ。
「橘さん程の片隅でしたら、我が社でバリバリ働いて頂けるのなあ」
「眞木さん嬉しいんですが、私は私のペースが1番合ってまして」
画面に映る眞木という男に申し訳ない、という表情を見せた。
真琴には在宅ワークの方が何かと都合がいいので、出社は考えていない。
趣味と実益を、知られる訳にもいかないからだ。
眞木との会話を終えて、真琴はそっと尻の辺りを触ってみる。
「昨日の今日だからまだ痛いけど、まあ頑張った方かな」
真琴の本気と普段のギャップが強過ぎて、その正体に気付かれてはいない。
【パピヨン⠀】と呼ばれる、蝶の様に舞う夜のオンナを―――
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