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突然の告白におれは固まってしまった。なにが起きているのかわからない。
「びっくりするのはわかる。そうだよな、びっくりするよな。でもさ、ずっと見てたんだよ俺は、お前のこと」
「え、いや、えー、なにそれ、えー」
脳内が混乱を起こしていて、なにがなんだかわからない。目の前にいる友人が別の人物に変化したような気がした。
「だからさ、周平が豊元に告白したって聞かされて、っていうか俺さ、お前が告白したとき実は裏で聞いてて」
「えなにそれなにそれ」
次々と新しい事実が出されていって、ますます訳がわからなくなる。
「言ってなかったよな。もっと言うと、豊元から相談もされてた」
「いやいや、なんだよそれ、どんどん出てくるじゃん。豊元が相談?」
「あー、うん、まあそれはいいんだけどさ」
「よくないよくない」
「まあ聞いて。それで、俺は周平を一目見たときからずっと好きだったんだよ。周平のこと考えると胸がドキドキして」
嬉しいという気持ちと、男にそんなことを言われて気持ちが悪いという二つの感情が湧き起こっている。いやむしろ、嬉しさの方が強いのかもしれない。蒼井は胸に手を当てて自分の鼓動の高鳴りを感じているようだった。全く予想外の展開。
ただそこでおれはあることに気づく。
「え、ちょっと待って、お前さ、さっきヤッたって言ってたじゃん。それはどういうこと? えっと、どっちもイケるってことなの?」
「あー、それか、いやいや、あーそうか、そうだよな。勘違いするよな。ヤッたってそういう意味じゃなくて、殺したって意味」
「は?」
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