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どうしよう、どうしよう、頭の中で何度も同じ言葉がぐるぐると巡り回っていて、答えが出ない。周平のことが頭にあって、それが気になって仕方がない。
「もしかして、周平くんのこと気にしてる? 友だちだからとかさ、あいつに悪いなとか? そんなこと気にしなくていいよ。素直になればいいじゃん」
豊元は真っ直ぐ俺を見た。
そして、俺の方へと近づいてくる。
そのとき、やっと気づいたことがある。なんだ、そんな簡単なことだったのか、と。素直になればいい。そうか。気にすることなんてなにもないんだ。
彼女の顔が迫ってきて、唇が重なった。
そこからは無我夢中で、あまり覚えてはいない。彼女の声が、顔が、身体が、俺を興奮させた。
そうして、俺たちは一夜を過ごしたのだった。
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