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プロローグ
鉛のように重い体。
暗がりに深く沈むベッド。
首筋をとらえる大きな手。
鈍く軋む骨。漏れる嗚咽。
静まっていく胸の鼓動。
夢はいつも、そこで途切れる。
たまにしか見なかったのに、ここ一、二週間は毎晩のように繰り返されている。
不思議と嫌悪感は残らない。
「悪夢」と呼ぶにも、欠けた部分が多い気がする。
ただ、一点だけ。
私の首元には、紅い痣が滲むようになり、鏡を覗く度、どうしても目を覆いたくなるのだった。
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