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7
私たちの前に、ジントニックとアイスティーが並ぶ。
彼は、お酒が苦手らしい。
「見た目はほぼ同じなのに」と彼の瞳を食い入るように見つめていると、照れて目を伏せてしまった。
「すみません。本題、いいですか」
真剣味のある低い声に、私も茶化すのはやめ、姿勢を正した。
「最初に、俺は兄を尊敬し、感謝もしています。黒島さんもきっとそうだと。その上で、この手紙を読んでいただけると」
そう言うと、コートのポケットから真っ白な封筒を取り出し、グラスの隣にそっと置いた。
小刻みに震える手を膝の上に置き、束の間、逡巡した後、封筒に手を伸ばす。
今度は、四枚も便箋が入っている。
気がかりを消化しきれぬまま、私は二つ折りにされた手紙を広げた。
圭一さんの端正な文字が、まっすぐ並んでいる。
そこには、私が知る由もなかった彼の葛藤と慈愛が記されていたのだった。
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