4人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
転機
私は実家に帰り、父親と母親がいる目の前で私の病気のことを話した。
母親は無言。
父親は私の話を聞き、「一回、休んだ方がいい」といった。
話してみると案外大したことがなかった。
もっと早く話せばいいと思った。
それからというもの父親が趣味でやっているゲームを進めてくることが増えた。
正直、ゲームはそんなに好きではないが不器用な優しさが素直にうれしかった。
父親曰く、「趣味がないと、考える時間が増えて不安になるから何か没頭できるものを探した方がいい」と言ってくれた。
確かに私はこれといった趣味がなかった。それで自分のことを考える時間が多くなっていたのも事実だ。
母親はというと、いつもご飯を作ってくれた。
当たり前のように聞こえるかもしれないが、前に実家に住んでいるときは母親が私にご飯を作ることはなかった。
私はというとコンビニのご飯ばかり食べていた。
久しぶりに食べた母親の作ってくれたご飯は本当に暖かくて、おいしかった。
久しぶりに食べたときは涙が止まらなくて本当にうれしかった。
だから、病気で悪いことばかりではなかった。
でも、このままというわけにもいかないため、病院に行くことにした。
最初のコメントを投稿しよう!