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罰ゲーム
一斉に四人が出した手を見渡す。
グー、グー、グー、チョキ。
終わった・・・。
俺以外の三人が
「おおーっ」
と歓声を上げる。
運が悪いことに自分以外は全員グー。俺は悲しいかなピースサインのチョキ。
これで俺が罰ゲームを受けることが決定したのだ。
隣に座っていた和弘がぽんぽんと俺の肩を叩いた。
「宏樹〜おめでとな!じゃあ、今日の帰り、西昇降口裏でよろしくな。楽しみにしてるから。それまでにしっかーり、姫華さんのこと呼び出しておくんだぞ。みんなで応援してるから。」
周りを囲んでいた全員がニヤニヤしながら俺の顔を見ている。絶望している人間を見るのがそんなに楽しいか‥。
椿下姫華。名前に負けず劣らずの学年No.1の美女。あんなに華奢で、顔が小さくて、人形のような綺麗な瞳をもった女性を宏樹は初めて見た。そして、そんな彼女に、ザ、普通の普通のど真ん中を行くような男が告白を申し出ることになった。
理由はといえば、なんとも恥ずかしいかな。よくあるジャンケンの罰ゲームが流行りに流行って、これまたよくある告白ゲームに発展を遂げたからだ。
ため息をつくも、ここは男として友だちとの約束を果たすべし。西昇降口裏で帰りに告白をする設定になっているので、まずは椿下姫華の靴箱にそっと置き手紙をすることにした。ベタベタな内容ではあるが、
「放課後西昇降口裏に来てください。話したいことがあります。」
だ。それから放課後まで、俺が授業をまともに聞いていなかったことは、誰もが想像できるであろう。
そして約束の時が来た。
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