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第二章 非日常の始まり
戦場に向かう前に集まる場所はいつも山のふもとである。ここに集まる仲間はみな同じ村の人だ。村で集まってから行くと大勢で山の中を歩くのは目立つので村の場所を見つけようとする敵兵に見つかりやすい。なので少しずつ時間をあけて集合場所に来るようにしている。
「リード隊長!やっと来た〜そろそろ行きますよ」
「あぁ待たせて悪い」
味方全員すなわちハングランド国全兵が揃う次の集合場所へ行く。
「そういえばリード隊長っていつも仮面付けてますよね。真っ黒だからちょっと怖いけど…」
「ダジリア国の王が俺の噂を聞きつけた途端俺の顔を写真で持ってきたら100万円、俺を殺してその死体を持ってきたら1000万円なんていう指令を下さなければこんな趣味悪い仮面付けないよ。」
「もしファッションだったらどうしようかと思いましたよ。てか趣味悪いっていう自覚あったんですね。」
「うるせー。ファッションな訳ないだろ。それにタリヤこそなんで俺のこと『リード隊長』って呼ぶんだよ。隊長はあっちだろ?」
そう言ってリードは本当の隊長の方を指差す。この兵だけではなく隊長以外のこの隊の兵達もリードのことを『リード隊長』と呼ぶのだ。
「リード隊長はとても強くて俺たちの憧れなので尊敬の意志を込めてリード隊長と呼んでいるんです!隊長は隊長なので隊長と呼んでいます。」
「ややこしいな…」
「ったく…ほんとだよ。なんで俺は名前付きで呼ばないんだ。」
「隊長なので」
「意味がわからん」
リードと隊長が口をそろえて言う。そんな話をしている内に集合場所に着いた。
「では!明日からの戦争に備えてみんな各自準備しておけ!」
「はい!」
着いた場所に簡単なテントを広げてそれぞれ銃や剣の手入れを始める。明日からは命がある保証などない。なので家族の写真をじっくり見たり家族からもらった物を大切そうに眺める者もいる。そんな中、リードはカイトからもらったお守りを握りしめていた。
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