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ダジリア国にあるダジリア城。これは戦争が始まる3日前の出来事である。
「まだアイツは捕まらんのか!もうすぐ戦争が始まってしまうんだぞ!」
「大変申し訳ありません…顔写真は多く送られて来るのですがどれも金目当てに適当に30代ぐらいの男を撮ってきただけのようで…」
「クソッ!クソッ!この戦争でも我が国が負けてしまったらもう他国から援助がもらえないかもしれないというのに!」
「一部の兵達にもブラッディ・リードが住んでいる場所を探させているのですが見つからなくて…」
「とにかくサッサとアイツを探すんだ!」
この王はダジリア国の王、セルベル・ダジリア。その専属秘書であるハドワード。
「陛下。お言葉ですが…もしかしてブラッディ・リードは30代ではないのでは?」
「何を言っているんだ。あんな剣豪が若造な訳ないだろう。」
「でもこれだけ探して見つからないとなると…天才というのはいるものですし…」
「じゃあその可能性も考えて探すんだ!アイツを捕まえることができるなら何をしたって構わない!」
「か、かしこまりました…」
ハドワードは怯えながら部屋を出るとそこには金髪の女性が立っていた。
「ひ、姫様…」
女性は腕を組んで足で床をタンタンと踏み鳴らしながら言った。
「お父様はまだイライラしていらっしゃるの?こう何日も不機嫌じゃ困っちゃうわ。」
「………」
女性の言葉に何も言い返せずにハドワードは無言を貫いた。
空が完全に青く染まった時、リード達は戦場でダジリア国の兵士を相手に剣を振るっていた。リードの周りは円ができているように人がいない。
なぜならリードがあまりにも早く兵士を倒してしまって怖気付いて近づけなくなってしまったからである。
「いいなぁ。俺もリード隊長みたいにバンバン敵倒したいな〜」
「訓練するしかないだろ」
「じゃあ教えてくださいね!剣術。」
「はいはい。帰って来れたらな。」
こんな会話をしながらもリードは敵を倒していく。そろそろ敵が撤収するかと思ったその時だった。
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