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事案-3041-01 インタビューログ
「さて、君たちの話を聞かせてもらおうか。」
スーツに身を包んだ尋問官は、優雅に珈琲をかき混ぜながら尋問対象達をゆっくりと見た。
2mにも登ろうかという巨体に岩のような筋骨。恐らく生まれつきであろう美麗で整えられた金髪に青い目を見れば、誰でも彼が日本人では無いことが伺える。その大きな手に握られたティースプーンはまるで爪楊枝のように見えた。そしてその"銀楊枝"が突っ込まれている珈琲もまた強烈で、暴力的なまでに濃く入れられたそれに角砂糖が六個も入っているからして、まるで魔女の大釜のような香りが立ち込めていた。
対して尋問対象の3人はまるで万引きがバレてしまった悪餓鬼のような顔で縛り付けられている高校生男児3人だ。岩壁のように大柄な尋問官にかかれば、こんな"小僧共"は拳一振で黙らせることが出来るように見える。しかし実際には違った。
彼らは特殊な人体実験に使われるような厳重な拘束具の着いた椅子に括り付けられており、首にはリモコン式小型爆弾。そして部屋には彼らを取り巻くようにライフルを装備した機動部隊が立ち並んでいた。
それでようやく両者は対等に会話が出来るのだ。
「話すことなんて何も無いよ。僕らはただの仲のいい男子高校生さ。」
ボサボサの髪にリボンを着けた1人目の"研究対象"が余裕な口振りで弁明をする。
「仲良くはねぇよ。」
その横に座らされている2人目は黒髪の、如何にも根暗、といった風体の男子だ。
「いやいや二人ともそこじゃない、まずこの状況だろ…。」
最後の一人はごく普通の、少し髪色の明るい高校生男子だ。彼は見慣れない銃を見て動揺はしていたが、怯えているようには見えなかった。
「はぁ…まあいいよ、話してあげる。僕らの馴れ初めくらいならね。」
"リボンの彼"は、子供に絵本を読み聞かせるような態度で、まずコホンと小さな咳払いをして流暢に語り始めたのだった。
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