22人が本棚に入れています
本棚に追加
その白い光の真ん中に女の子の姿を見つける。
肩を抱かれて立つ姿は、すぐに押しかけたカメラマンで見えなくなってしまった。
「あれ、主役の子だろ? チケットくれたお前の友達」
「……ん、そうだね」
「声掛けて来いよ」
「無理だよ、あんなに囲まれちゃってるし。それに、今は」
それに今は、きっとあんな風に騒がれたくないはずなの。
彼女の心の中を想うと、言葉が詰まった。
「じゃあホテル戻るか」
やっぱり最後まで興味なさげな相方は、ふわあと欠伸をひとつこぼして歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!