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小説パート3(16)
帰り道も、勿論のことだが、乗るクルマはこの軽トラだ。
不思議に思っていたので、先生に尋ねた。
「このクルマは先生のですか?」と、すると先生は、
「借りているのです。マシンの設計図を持ってきた人に。
お爺さんちゃんの、カタミに設計図とこのクルマを貰ったと言っていました。」更に私は、尋ねた。
「何故、このクルマを彼は置いて行ったのですか?」
「彼が言うには、クルマで来たのですが、エンジンの調子が悪くなったので、
置いて行く。場合によってはそのまま、廃車になるかも知れない。と言ってました。いつエンジンが止まるか、わかりません。でも心配しないで下さい。エンジンが止まっても、飛行機と違い落下しません。生命は保障されてます。」
なるほど、生命だけは保障されてはいるのか。
でも、エンジンが止まるかも知れない自動車を平然と運転する先生の度胸に、私はドキッとした。
どんな度胸だろうと思って、先生の胸元を見ると、またもドキッとした。
なんとか、無事に、夢工房に到着した。次の日程は、連絡してくれると言う事だった。
数日が過ぎた。メールが届いていた。直ぐに出かける準備をした。
暇は充分にある。何故なら俺は、失業中。
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