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小説パート3(2)
「バーチャルで叶えます。貴方の希望を、」のタイトルの後、
書かれているのを、
要約すると、叶える事の出来ない現実をバーチャルで体験してみませんか
と言う内容だった。
確かに、夢はそう簡単に、叶える事はできない。
でも、夢を夢でに終わらせても、つまらない。
今の私にとって、憎きあの女を殺す事が最大の夢だが、
やるからには完全犯罪。
仮に捕まっても、法律で裁く事の出来ない犯罪。
この事ばかりを考えていた。
しかし、どの様な人間でも生きる権利はある。
矛盾を如何に解決するか、本当に悩んでいる時に、
此のタイトルを見たのだ。
バーチャルで犯罪を起こしても、罪にはならない。
また、女も死んでいない。
此のタイトル通りなら、気持ちだけでも収まるかも知れない。
悩んだ末に、私はその書いてある住所に足を運んだ。
そこは、古い4階建てのビルだった。
いわゆる雑居ビルで何軒かの会社名が書いてある。
その中の一つに「夢工房」とある。
4階建てなのに、エレベーターも無い。
不運な事に「夢工房」は4階だ。
私は、息を切らしながら、その扉にある、
インターホンを押した。
案内され入ると、若いが太った女性が出てきた。
「ご用件は、何でしょうか」とぶっきらぼうに聞いてきた。
メールを送ってきていながら「要件は何」と聞くかーと思った が、ここは、大人の対応だ。
メモに書いて於いた「貴方の希望をバーチャルで叶える事」の紙をデブに渡した。
デブ女はその紙を見て、「本気にしたの」と言う表情を浮かべ私を見て笑った。様に私には見えた。
「先生を呼んできますので、しばらくお待ち下さい」と言ったが、こんな小さな部屋なら直ぐに分かるでしょう。待つほども無い。と思っていたところに、先生登場。
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