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小説パート3(7)
それから、数日が過ぎた。
以前の私は、恨んだ女に復讐を考えて、毎日毎日が苦しく悩み、身の置き所さえなかったが、段々とその思いは薄れていった。ちょうど、頭の髪の毛が抜けて行く様に。
メールが届いている。「夢工房」からだ。
内容を見ると、「ご希望を叶えられる物が完成したのでお知らせします。
ご来店のほどよろしくお願いします」
とあった。
私は、急いで支度をし、夢工房に出かけ、息を切らしながらインターホンを押した。出て来たのは、いつもの様にデブだった。
今回は「ご用件は?」と聞かず、直ぐに美人先生を呼びに行った。
「お久しぶりです。先生は相変わらず、お美しいですね」
と、まずは社交辞令。
「貴方も、男っぽい匂いがしますよ」
と社交辞令か?本当に匂うのか?
その様に言われると、戸惑ってしまう。最近、風呂に入っていない。
そんな事はさて置き、私は本題に入った。
「私の希望している物が出来たとメールにありましたが、完成したのでしょうか?」
美人先生は微笑みを浮かべながら、言った。
「見事に完成しました。今日は、貴方の望みが叶いますよ。
此の場所にはその装置はありませんが、今日のご予定は如何でしょうか?」
「勿論、今日は夢を叶えるつもりで来てます。時間も充分有ります。」
美人先生は安心した表情で、言った。
「では、その場所をご案内します。車での移動となります。
20分ぐらいかかります。運転は私がします。では、」
と言って、席を立ち私を自動車の所まで、連れて行ってくれた。
一体何処に行くのだろう?私は不安を覚えながらも、美人先生とドライブ出来るのなら良いか、とも思いながら、私は、軽トラに乗り込んだ。
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