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小説パート3(8) 軽トラの乗り心地は最悪であった。古い、しかも中が汚い。 中には泥が溜まり、タバコ臭い匂いがする。 美人先生には似つかわしくない車だ。でも、贅沢は言えないので我慢していた。20分ほど走ると、田舎の風景に変わった。道が舗装されていない、凸凹道だ。さらに乗り心地が悪くなった。でも、贅沢は言えない。 さらに10分ぐらい走ってやっと、その場所に着いた。不気味な建物が 目の前にあった。看板には「夢ランド」と書いてある。 建物は大きくは無いし、しかも古い。 廃墟の建物を改築した感じで不自然な建物である。とても夢という感じでは無い。ましてや、島でも無い。「キモい」と心で叫んだが、此処は度胸を決めよう。「俺は男だ。しかも、たった今、美人先生に男臭いと言われたばかりだ」 と思っていた所に、一人の男性が現れた。歳の頃は五十歳ぐらいか? 身体は160cmぐらいか。バストは、、どうでもいいか。と男の身体をじろじろと見ていたら、その男は身の危険を感じたのか、身を翻して、言った。 「此方へどうぞ。」 案内された場所は、これこそ、不気味。安物のお化け屋敷の感がある。 そこには、椅子が置いてあった。立派な椅子で、 (これが、あの実験装置だな )と直ぐに感じた。 男は、 「私は、◯◯大学の教授で、科学者である。それもチョットは、名の知られた科学者だ。日本化技大の上田じろうとは親友で、懇意にしている。 変人ガリレオと言われている湯川学君とは同期である。なお、私は変態科学者とよばれている」 と自己紹介したら面白いだろうなと、思っていた。 しかし、全くその様な事は言わず名前だけ言い、名刺を差し出してきた。 名刺には、小山内カオル とだけ書いてあった。 これでは、どの様な立場の人か分からない。科学者かどうかも分からない。 これでは、名前を差し出しただけだ。 彼は言った。 「今回の装置は画期的な物で、最初の利用者になった、君は、宝くじに当たるくらい幸運である」と言う様な意味に聴こえた。 当然だが、私は宝くじに当たるほうが、嬉しい。 でも、此処は大人の対応だ、作り笑顔をした。若干頬がこわばったが仕方がない。 なんだかんだと説明されたが、全く頭に入らなかった。 実験内容は次次回に譲るとしよう。
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