動物だけど

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動物だけど

 今日のお布団はふかふかだし、なんとなく上げるだけの高い声にもお叱りはないし、疲れたと言えば休ませてもらえるし、何もしなくても勝手に喜んでくれる。  ああ、楽ちんだ。  楽ちんな人はいいな。  それでも僕は籠には入らない。  おまえも、カゴに押し込めたりしないよ。  だから心配しないで。  揺さぶられながらも、微動だにしない黒い影のある方向を流し目で確かめる。  そこにいる。  それだけでいい。  僕が、死ぬまでは一緒にいてね。  それだけ、お願い。  心の中でつぶやいた独り言に、夜菊は「はあ、」と熱い息を吐いた。  あったま、おかしいでしょ、僕。  どうにかなったみたい。  おまえのことがこんなに好きだなんて。
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