35人が本棚に入れています
本棚に追加
動物だけど
今日のお布団はふかふかだし、なんとなく上げるだけの高い声にもお叱りはないし、疲れたと言えば休ませてもらえるし、何もしなくても勝手に喜んでくれる。
ああ、楽ちんだ。
楽ちんな人はいいな。
それでも僕は籠には入らない。
おまえも、カゴに押し込めたりしないよ。
だから心配しないで。
揺さぶられながらも、微動だにしない黒い影のある方向を流し目で確かめる。
そこにいる。
それだけでいい。
僕が、死ぬまでは一緒にいてね。
それだけ、お願い。
心の中でつぶやいた独り言に、夜菊は「はあ、」と熱い息を吐いた。
あったま、おかしいでしょ、僕。
どうにかなったみたい。
おまえのことがこんなに好きだなんて。
最初のコメントを投稿しよう!