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そう思って横で寝ているザキを見ると、ザキは何か切なそうな顔をしながら、目の前にある「何か」を両手のひらで愛でていた。いったい何を愛でているのか、知りたいような知りたくないような。しかしそんなザキを見て、ジョーはなんだか「いとおしい」と思えてきてしまった。ヤバいヤバい、マジでヤバいって。いくら男2人だけになったからって、それは……。ジョーはまだ少しでも正気が残っているうちにと、慌てて洞窟を出た。
ふらつく足で洞窟を出て、外の空気を吸おうと2,3歩だけ歩いたつもりが、「つとととと」っと何メートルか歩み出てしまった。こりゃあ、相当ヤバい葉っぱを巻いちまったんだな……。そう思いながらジョーが顔を上げると、前に見たことのある、おかしな服を来た男が立っていた。身長は2メートル近くあり、痩せ型で、体にぴったりフィットした、動きやすいのかにくいのか着てみないとわからなそうな銀色の服を着ている。そして口元には、背中にしょった小さなボンベみたいなものから、管の繋がったマスクを装着していた。
……あ、宇宙人だ。
前に見たことがあると思ったら、そういうことか。こいつがいま構えているような銃で、一瞬にして「消された」奴を見たことがあったな。その銃を、目の前にいる宇宙人は俺に向けて構えている。ってことか。
「わははははははは!!!」
ジョーは思わず笑い出した。やっぱり俺、トリップしてるな。心の奥底でそれを認識しながらも、笑い出した体は止まらなかった。
「わはは、わははははは!!!」
笑い続けているジョーを見て、目の前にいる宇宙人は少し固まっていたが、銃を撃つことはせず、その銃でジョーを殴り付けた。
ジョーの目の前には再び星がチカチカと巡り始め、ジョーは、キレイだなあ~……と思いながら、「お~星さ~ま、き~らきら~……♪」と小声で歌いつつ、その場にバッタリと倒れ込んだ。
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