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「えっ、どうしたの慶ちゃん!? ごめん! グイグイ聞いて、遠慮無さすぎたよね!?」
「ち、違くて……その……」
「じゃあ、眠かったのに無理やり誘われて嫌だった?」
「違うの、皆のせいじゃなくて」
恋バナを提案したり、提案に乗ったメンバーたちが次々に心配や謝罪の声をあげる。凛音も眉を思い切りハの字に曲げて私の背中を必死にさすっていた。ごめん、そんな顔をさせたかったわけじゃないのに。
その後、あれよあれよという間に皆の勘違いが進み、いつのまにか私は「好きな人はいるが、その人には別に彼女がいる」ということにされてしまった。
告白してもないのに、どうやら私はもうフラれてしまったらしい。
そうしてなんとなく気まずい空気のまま、修学旅行1日目は幕を下ろした。
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