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翌日。まだ皆が寝ている間に目が覚めた私は重い身体を引きずって洗面台まで行く。顔を確認すると、案の定泣きすぎて目の周りが赤く腫れていた。
「温かいタオルと冷たいタオルを交互に押し当てると良いらしいよ。私の使う?」
突然の呼びかけに振り向くと仁美が立っていた。切長な目をさらに細め、若干寝癖で乱れた綺麗なショートヘアを手櫛で直している。
「タオル用意したら場所変えよっか。ちょっと語ろ」
仁美の優しい声色に押され、私たちは部屋を出て共有スペースのソファを目指した。
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