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はずむ会話から…
「あっ、大丈夫です。お酒も食べ物もおいしいし夢中になりすぎました。」
『夢中やったんや。ボクいること忘れんといてな。』
苦笑いの遠藤さん。
「わ、忘れてませんよ!えっと、遠藤さんはお休みの日はどうされてるんですか?」
『ん?ボク?ボクも1人暮らしやし掃除したり飲み物とかカップラーメンとかの買い出しに行ってるかなぁ。』
ジョッキに残ってるビールを飲み干して、冷奴を取り皿に入れて、醤油を少しかけてパクッと口に運んでうんうん頷いている。
「あっ、次飲み物頼まはります?」
『あー…烏龍茶にしとこうかなぁ。』
「じゃ、注文しますね。」
ボタンを押した。
少しして奥から店員さんが、片手にハンディー端末を持って注文を聞きに来た。
『注文お聞きしますね!』
「烏龍茶1つと…あ、2つお願いします。」
『烏龍茶2つですね?』
「はい。」
店員さんが聞き確認してハンディー端末に入力して、ハンディー端末をエプロンのポケットに入れた。
『空いているお皿お下げしますね。』
「あ、はい。お願いします。」
店員さんの方へ空いているお皿を寄せる。
『ありがとうございます。助かります。』
そう言って、軽く頭を下げて、上手にお皿を重ねて持って、奥へと戻っていった。
『佐藤さん注文ありがとう。』
「いえいえ。」
器に残っている長いも短冊をさらえて、半分程残っているコップ酒を1口呑む。
『それ、どんな味?』
視線を感じるなぁ…と思ったら、左手に持っているコップ酒を遠藤さんが指差して聞いてきた。
「ん、えっと、レモンの酸味が程よく効いてすごく呑みやすいんです…遠藤さん、もし、呑みさし嫌じゃなかったら、呑んでみはります?」
『えっ?』
遠藤さんが一瞬固まった…様に見えた。
『えーっと、じゃ、折角やし…んーと、す、少し呑ませて貰おっかなぁ…。』
「はい、じゃぁ、どうぞ!」
左手で持っていたコップ酒のコップの底に右手を添える感じで持ち直して、遠藤さんの目の前に差し出した。
『あっ、あ、ありがとう。』
と言って、左手で受け取った。
『そ、そしたら頂きます…。』
そして、コップ酒を口に運んで1口、2口…と呑んでいく。
『あっ、ほんま!ムッチャおいしい!』
「あっ、なくなってしもた…。」
ぼそっと呟いてしまった。
『えっ?あ…。』
はっとして、コップ酒を見た遠藤さん。
『ごめん。1口呑んだらスゴいおいしくって調子にのって全部呑んでしまった…。』
「しゃーないですネ。いいですヨ。」
苦笑いをしつつ、ちょっと残念やったけど、若干呑みすぎていたので、調度よかった…かも?
ちょっとだけ気まずい空気が流れているところにいいタイミングで店員さんが来てくれた。
『お待たせしました~。烏龍茶お持ちしました~。』
店員さんが来て、各々の前に烏龍茶を置いて、伝票入れに伝票を入れて奥へ戻って行った。
目の前の烏龍茶を飲む。その様子を見ていた遠藤さんも烏龍茶を手にして飲み始めた。グラスの中に入った氷でよく冷えている烏龍茶が、酔ってフワフワした身体を現実に戻してくれる。更に烏龍茶を飲む。テーブルの上を見る。注文した料理がきれいに食べられていて、烏龍茶しか残っていなかった。
「遠藤さん、締めになんか頼まはります?お茶漬けとか、デザートとか。」
『佐藤さんはどうするの?』
「私は、梅茶漬けたのもうかなぁ。」
『そしたらボクも梅茶漬け頼もっかなぁ。もう注文していい?』
「はい、お願いします。」
ボタンを押した遠藤さん。私は、食べ終ったお皿を1ヵ所にまとめ置いた。
少しして奥から店員さんが、脇にお盆を挟み、片手にハンディー端末を持って注文を聞きに来た。
『ご注文お聞きします。』
『梅茶漬け2つ。』
『梅茶漬け2つですね。』
店員さんが聞き確認してハンディー端末に入力して、ハンディー端末をエプロンのポケットに入れた。脇に挟んでいたお盆を手に持った。
『空いているお皿お下げしますね。』
手際よくお盆にのせていく。
『お待ち下さいね。』
と言って、お盆を持って奥に戻って行った。
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