8人が本棚に入れています
本棚に追加
「お兄ちゃん」
そんな声を夢現に聞きながら私は目を覚ました。
ゆっくりと開けて行く視界の真ん中に妹の奏美の顔があった。
「奏美…おはよう」
私はそう言って毛布を引っ張ると、奏美に背を向けて頭まで隠した。
「何か、大変な事になってるよ」
大変な事…どうしたの…。
またミサイルでも飛んで来たの…。
「もう、お兄ちゃん」
奏美の声に私は身体を起こした。
「何、どうしたの…」
まだ寝ていたい…。
それ程に昨日は疲れた。
私の瞼は自然に閉じて行く。
そんな私に奏美はスマホの画面を突き付けた。
「ほら、これ…」
私はその画面を見た。
最初のコメントを投稿しよう!