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「通り道に、あるんだ」
「通り道?」
「うん。プラネタリウム。その……両親のところに行く途中にね」
打ち明けられた真実に、パスタを掬おうとしていた泉夏の手が止まる。
二年間の交際期間。
色々な話をして、お互い理解を深めてきた。
喋ってくれるのならどんな事でも聞くつもりはあったけれど、その話題だけは別だった。
今まで殆ど出てこなかったのは辛い過去故だろうと、あえてこちらから詮索するような真似もしてこなかった。
だけど、どういうわけか今日は違った。
そして突然始まったそれは、どうやらまだ続きがあったらしかった。
食事を中断し、泉夏は耳を傾ける。
「だから、ドライブがてらとも思ったんだけど」
「ドライブ……」
彼の言わんとしている事が分からず、泉夏は首を傾げる。
「今度の日曜日。泉夏にとって迷惑じゃなければ、一緒に行けたらとも思ってたんだ」
形容しがたい笑みで秀王に告げられて、泉夏は息を呑んだ。
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