本編

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 私が空腹もなんとかなり、ヘルメットを脱いで(当たり前だ、そうでないと食えない)。 椅子に座り、窓から外を眺めていた。 すると! 私はとんでもないものを見てしまった。 これは幻覚か?! 何と外には、十二単衣を着た女の人が歩いていたのだ!! えっ?!かぐや姫?なの! 私は遂にきてしまったか。これが最期なのか?そう思った。  宇宙に出ると超常現象を見るという。 多分、それだ!だが良く見るとおかしい? 彼女は、金魚鉢の様なヘルメットを被っているのだ。全面透明の。 えっ?!かぐや姫もヘルメット被るのか? と、よーく見ると。撮影スタッフが彼女を撮っていた。カメラマンも宇宙服、照明も。そしてかぐや姫が歩く所を、板で確保してた。  何をやっているんだ?!こいつらは〜! ここは本物の月だぞ!と思っていると。 撮影スタッフが、窓をコンコン叩いた。 私は驚愕の顔で頷き、ヘルメットを被り、扉のビニールを外すと外へと出た。  回りには、20人位の撮影スタッフが屯していた。そして一人の男が、私を彼らが乗ってきたであろう船に連れて行った。 「大丈夫でしたか?いや〜、本当に生きていたんだ。ゼニックに依頼されてね〜。 本当は私達は、コマーシャルの撮影に来ただけなんだけど。ゼニックがお金出すって言うもんで。引き受けたんですよ。 まあ、この件は全て秘密にしろって、言われてますけどね。お腹、空いてません?」  彼は、ニコニコとそう言うと。私にチューブに入った飲み物を渡した。 何と言う事だ! 私はテレビクルーに救助されたのだ。 あはは、笑えた。  それからCMの撮影が終わって。我々は月から脱出して、地球へと還って行った。  私は、何しに月へと向かったのだろう? 私のした事と言えば。月面に衝突した事と、カップ麺を食べた事だけだった。 終わり。 平成28年9月17日初稿 平成30年6月5日再編 令和5年3月28日加筆修正打ち込み。
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