本編

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 こうなると、私に残された手段は少ない。 国際的に救助要請をするべきなのだろうか? それしかなかろう。何処が今、この月に興味を持っている? アメリカもロシアも、火星にしか興味がないだろう。しまった、アジアの国か?アフリカ? 参ったな、私は言葉がわからない。 日本語は得意なのだが、アナウンサーだから。  進退窮まると、人は食欲が増すようだ。 何とかして、カップメン計画を実行しなければならない気がしてきた。 このミッション最大の山場を迎えたな・・・。そんな事を思ってニヤリとした。 私の思考はいかれていた。  私は間違いを犯した。6分の1の重力では、お湯は真っ直ぐ落ちてこない。少し曲がる。 しかも、ゆっくりだ。  給湯器は噴射モードもあった。それに切り替えると、カップメンの具材とスープを派手に吹き飛ばした。3個目で私は、何とかカップメンを完成する事が出来た。  床の回りには、ゆっくりと落ちたお湯とスープの粉が舞っていた。途中エアコンの風に吹き飛ばされ、機械に貼り付いたものもあった。 壊れるかも? そんな事、どうでも良くなっていた。  助けに来ないと分かっているのだ。 助かる見込みは無いのだ。  くそっ!これはどうしてやろうか?  私は私が死んだあと。この宇宙船に何か残さなければならいと思った。  ゼニックが私を見捨てた事や、事件を隠蔽した事をだ。だが奴らが、必ず先に来て何もなかったかの様に回収してゆくだろう。 いや埋めてゆくのかな?私は地球初の、 月面殺人事件の被害者となるのか!と笑ってしまった。  そういや、○ャミラもそうだったな。 人類を恨みそうだ
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