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壱
この世界は理不尽だらけだ。ようやく居場所を見つけたと思ったのに...。また裏切られる。
「なんで?」
「なんでかって分かってるだろ?お前は落ちこぼれなんだよ。呪術もろくに使えない雑魚が。」
「そうじゃなくて...!」
「黙りなさいよ。今、貴和様がしゃべっていらっしゃるでしょ。」
波瑠様に思い切り蹴られた。
「ぐっ、うぅ...」
抵抗することも許されないの?
「やっぱりあなたは忌み子ね。この大日本帝国の帝民のくせに赤髪で呪術も使えないんだから。」
円様にそう言われる。
「・・・。」
「何か言ったらどうなの!」
また蹴られる。けどこれだけは
「それなら普通に追い出せば、良かったじゃないですか。なんで拘束されないといけna...。」
「うるさいわよ。」
また思い切り蹴られた。
「っ!」
激痛がはしる。あばら骨何本か、いったかもしれない。
「という訳だ。眠れ。」
「えっ?」
頭に衝撃が加わる。そしてわたしの意識は暗闇に包まれた。
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「オイ、オキロ。」
誰かの声で起きる。目の前には男性がいた。日本語には訛りがある。
「ヤットオキタカ。シンデイタラジョウシニオコラレルトコダッタ。」
「?」
立ち上がろうとしたが何かに邪魔されこけてしまう。手元を見ると手足ともに鎖で繋がれていた。そして檻のようなものに入れられているみたいだ。えっ?鎖で繋がれている?どういうこと?ある仮説が出てきて青褪める。まさか売られた?そんなことを考えていたら外が騒がしくなった。
「Who is it?
[誰だ!]」
「Don’t be scared!The other party is a woman.
[怯むな!相手は女だぞ。]」
何か叫んでるようだがよく分からない。そのうち静かになった。
ガチャガチャ ガチャッ
「?」
「It finally opened!
[やっと開いた]」
誰かが入って来た。目の前にいた男性が
「Who are you?
[お前は誰だ!]」
「Do you need to answer?
[答える必要ある?]」
「You lick me!
[舐めやがって]」
男性がさっき来た人に殴りかかる。しかしその人は普通に避け、その腕を掴みその勢いに任せて投げた。
「Ugh.
[ぐっ]」
男性は打ちどころが悪く気を失ったのかそのまま動かなくなった。
「The suppression is complete.
[制圧完了っと。]」
その人は何かを呟くとこっちに来た。
「Please wait a minute.
[ちょっと待ってね。]」
そう言うとわたしの手足に繋がれている鎖を金属の棒で外した。そのときに見えた顔で驚きの声をあげた。
(えっ!?)
驚きすぎてか声になっていなかったが...
「Are you okay?
[大丈夫?]」
そう助けてくれたのは日本人にしか見えないのに異国の言葉を話す女性だったからだ。
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