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「美味しい~。初めて、こんな美味しいの食べたの」
「良かった」
色っぽい唇がかすかに動き、口角を上げた。
「――まさか友都がこんな大人になるとは、思ってなかった。昔から知ってるから、なおさらね」
「亜由だって、そうだよ。学年上位で暴れてたのに、こんな落ち着くとはね」
「友都のおかげ」
ぽつり、そう呟くと彼はまた頬を染めた。
「――ずるいんだって、そういうとこが」
「そっちも十分、ずるいよ、お互い様」
話が弾み、今までで一番楽しい時間を過ごしたかもしれない。
「ありがとう、こんな素敵な場所に連れてきてくれて」
「どういたしまして」
レストランから出ると、いつもの花屋へ歩き出す。
これが最後の花束――
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