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「お客様、お待ち下さい!」
買い物を終えてコンビニを出ようとする男を、女性店員が呼び止める。
男は、何事だろうか? といった表情で振り向いた。
「お客様、お釣りを多くもらっていますよね?」
「え? 何ですか、急に」
「ですから、お客様、お釣りを多くもらっていますよね? 確かめていただけますか?」
「もう財布に入れちゃったし、多かったかどうか、分からんよ」
「では、返していただけないのですね?」
「いや、本当に多くもらったのかどうか分からんから……」
「店長! 警察に電話してください!」
「は? 警察?」
店長は警察に通報。
他のバイトスタッフも集まってきて、男を取り囲んだ。
店内にいた客たちは、ひそひそとささやき合う。
「なにあれ? 万引きでもしたんじゃない?」
男は動揺して言った。
「ちょ、ちょっと、なんで警察呼ぶんだよ。お釣りを間違えたのはあんたの方じゃないか」
「では、お釣りを多く受け取ったことを、お認めになるのですね?」
男は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
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