億日紅

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-------追伸 桜を愛して欲しかったのです。 儚く散るも、永遠を生きるも。 桜は桜。 ただ美しいと思えたなら。 あなたもまた、そうでしょう。 降り注ぐ薄紅の間に。 天使の翼が見えた気がした。 「ライトハウス教授」 その呼び方は嫌いだ。 天使の翼だと思ったのは、彼女の髪だった。 黒かったはずが、美しい銀髪になっていた。 桜が絡まって、薄紅に照らされていた。 「私もようやく、  あなたに追いつきます」 あなたが押し付けた、重い荷物を降ろして。 終
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