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『照準良し………行けッ!!』
引き絞られる引き金と同時に、弾かれる撃鉄。
最初に、司祭のエルシュナイデを襲ったエネルギー弾が、これまた無数、エルシュナイデ部隊へ襲いくる。
『くッ………!!』
『各機、散開!!固まっていては的になるだけだぞ!!』
教団の部隊は、なんとか機体を分け、的を絞らせないよう努めるが。
『来ましたよ、イツキ。指定ポイントに、ありったけの弾を。』
『ハハッ!!単純な奴らだな!!』
先ほど放たれたディバイデッドライフルの弾丸は、ただの囮。
ライラプス1機では、どうしても数で劣る以上、こうして相手の陣形を歪ませる必要があった。
故に、最初の連射は、敢えて逃げ道を残すような照準で撃ったのだ。
つまり。
『狙いを集束!!今度こそ、本命だぜ!!』
手近なエルシュナイデへ向け、一塊の巨光と見紛うようなエネルギー弾が、一直線に放たれてゆく。
『う、うわァァァァァァァァァ!!』
コックピットへ直撃。
問答無用の撃墜である。
そして、これはイツキやアイも意図していなかったことだが、エルシュナイデの動力中枢に誘爆が起こったのか、一際派手な炎と轟音を上げながら爆散してゆく。
『チャンスですね。』
『おう!!こいつは、ラッキーだったな!!』
この好機を逃してなるかと、ライラプスは急加速を開始。
大地を滑るかのような高速機動にて、コーティングソードを振るいながら、ディバイデッドライフルで弾丸をばら蒔いていった。
結果。
『ダ、ダメだ!!機体が保たない!!』
『だ、脱出装置が………!!アァァァァァァァァァ!!』
『す、全ては正しき死を………我の命を、正しき死のためにィィィィィ!!』
計3機ものエルシュナイデが撃墜。
教団の部隊は、これで半数以上の戦力を、あっという間に削がれてしまったのだ。
『ば、馬鹿な………』
『馬鹿はお前だろ。』
『こちらの戦力を見誤ったようですね。無能な指揮官です。』
ライラプスは、イツキとアイは、慇懃無礼、余裕綽々といった態度を改めようともしない。
完全に舐められている。
そして、悔しいがあのライラプスという機体は、エルシュナイデより高性能な機体だ。
恐らくだが、エルシュナイデのように量産のことなどまるで考えていない、一点物の特注品。
細かな採算や汎用性など知ったことかと、あのパイロットらだけが扱いやすいよう、好き放題にカスタマイズされた機体なのだから、当然と言えば当然だろう。
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