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『ア、アイ、正気かよ!!あんな奴の手を借りるだなんて………!!』
『しかし、現状、このままでは敗色濃厚です。ここは、使えるものは全て使い、状況を切り抜けるべきかと。』
『だ、だけどよ………』
『アウローラのメンバーを助けるためです。ここは、割りきっていきましょう。』
『ッ………!!』
5秒間。
イツキの脳は、最大に回転し、深く悩んだ。
シンヤへの嫌悪感。
己の不甲斐なさ。
そして。
このままでは、アウローラメンバーの「死」はほぼ確定だという、変えがたい事実。
『シンヤ・ナンブ。改めて、返答を。』
『………』
シンヤは、無言だった。
アイもまた、伝えるべきことは伝えたと、これ以上は何も言わない。
『………頼む………』
『………!?』
『頼むよ。力、貸してくれ。アウローラの皆を、助けたいんだ………』
イツキの選択は、シンヤに頭を下げることを選んだ。
そして、真っ向から、シンヤに共闘の願いを口にしたのだった。
『………いいぜ。』
『そ、それじゃあ………!!』
『元から、あいつら………あの害虫の力を好んで使うような連中は、潰してやるつもりだった。一緒にやりたいなら、好きにしろ。ただし、足は引っ張るなよ、ガキ。』
『こ、こいつ………!!やっぱり、いけ好かねぇ!!』
『落ち着いてください、イツキ。即席ですが、2機の連携パターンを構築してみました。そちらにもデータを転送しますので、確認してください、シンヤ・ナンブ。』
『………必要ねぇよ。』
『別に、この通りに動いてくれというわけではありません。しかし、お互いの機体の特性や、動きのクセなど、最低限の情報は知っておくべきでしょう?参考にしてくださるだけで結構です。』
言うが早いか、ミッターナハトのコックピット内に送られてくる、ライラプスGCとのコンビネーションデータ。
シンヤは、やれやれといった様子で呟くように口を開いた。
『あんた、AIのくせに、パイロットよりよっぽど大人だな。』
『お褒めの言葉と受け取っておきます。さて、時間もないことですし、そろそろ始めましょう。頼みましたよ、イツキ。』
『クソッ………!!しくじるんじゃねぇぞ、ガキ!!』
『お前こそな、ガキ。』
再び、凄まじい突進にて飛び出してゆくミッターナハトと、ライラプスGCの多弾頭ホーミングミサイルが放たれたのは同時のことだった。
『ここだ………!!』
ミッターナハト左腕の固定兵装、5連チェーンガンが火を吹くが、狙いは上空にいるデニスのエルシュナイデではない。
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