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 僕とステラはオーディンの家を訪ねた。夕方も近く夜まではいられないから、とりあえず現場検証といったところだった。本当はオーディンに頼まれたことだけどステラには黙っておいた。 「なんだ、来たのか」 「魔女を紹介してくれるって聞いてね」  そっけなく出迎えたオーディンに向かって、ステラは鼻にしわを寄せて見せた。  オーディンの部屋は、子供部屋というよりは書斎みたいだった。しっかりとした木の机と、分厚いマットのベッド。壁には装飾が彫られたクローゼットと書棚があった。 「なによこれ、おんなじ本ばっかりじゃない」 「全部違う号だ!」  書棚にはという本が並んでいた。僕もあとで知ったんだけど、載っている幾つかの謎を解いて導き出した場所に行くと、景品が隠されているというゲームブックだった。  メイドさんがお茶を運んできて下がっていくと、オーディンは魔女について話し始めた。
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