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「ふぅ〜!終わった終わった。
なぁ、時雨。暇なら一緒に飯食おうぜ。」
岩倉仁が声をかけてくれた。
俺は返事を返そうとしたが、つい斜め前に座っている生徒を見つめてしまっていた。
それに気づいたのか仁も同じ方角を見る。
「…委員長がタイプなのか?」
「そういうことじゃないんだけど。
……対策係ってなんなのかなって。」
もしかしたら聞いてはいけないのかもしれない。
今朝ぶつかった後輩の生徒の顔を思い出し
一瞬悩んだが、好奇心が勝ってしまった。
もし俺だけ知らないことがあるならそれはとても怖い。
はぐらかされると思っていたがその返事はあっさりとしていた。
「対策係は、ヤベェやつらから俺ら守ってくれる駒月学園流の生徒会みたいなやつだ。」
(生徒会……と呼べるほどの権力を持っていたのか。)
たしかに、彼女以外のクラスメイトは誰も腕章を付けていない。
クラスで1人なのだろうか。
見つめていたからか、振り返られて目が合った。
(!)
俺は思わず視線を逸らす。
「委員長は、学級委員もやってるし大忙しで辛そーだよなぁ。俺なら絶対無理。
……ま、対策係には逆らえねぇけどな。」
俺は仁の目をまっすぐ見た。
「…見える……のか?」
(痛いやつだと思われたらどうしようか。)
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