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プロローグ
「チッ、ロックオンされた!」
連邦軍のパイロットはコクピットにビーっと鳴り響くロックオンアラートに舌打ちしながら右脚のラダーペダルを踏み込み愛機で有るトリアーエズを海面へと一気にダイブさせる。
「ドップの奴ミサイル撃ちやがった・・・こなくそぉーーっ!!」
連邦軍パイロットのトリアーエズはアフターバーナーをカットしフレアをばら撒きながら機体を海面スレスレに引き起こすと、ドップから放たれた熱探知型の赤外線ミサイルはフレアに向かって突き抜けるとそのまま海へと着弾する。
「日頃の行いの良さってね!」
連邦軍のパイロットはフゥ!と安堵の息を吐きながらアフターバーナーを吹かし機体を上昇させると、後方のドップは引き起こすのが遅れたのか海面に機体を打ち付けながらバランスを崩しているのをパイロットは確認する。
「良し貰ったっ!」
連邦軍パイロットは今まで後ろを取られっぱなしで鬱憤が溜まっていたのかこの絶好の機会に反撃に出ようと、スロットルを最低出力にワザと失速させると機体が下を向いた瞬間再びスロットルを最大に上げる。
「コイツ・・・今度はこっちの番だからなっ!」
連邦軍のパイロットはそう呟きながらHUDに映る海面スレスレを飛行しているドップに向けレクティルを合わせ操縦桿のトリガーを絞るとトリアーエズから放たれた20バルカン砲がドップの胴体と右翼に被弾し火を噴くとドンっ!と音を上げながら海へと叩きつけられてしまう・・・
「やったねビンゴッ!」
そう声を上げた連邦軍のパイロットはふと安心した瞬間、目の前の雲の切れ目からヘッドオンして来る新手のドップにギョッとした顔になると、マズっ・・と言いかけた瞬間には前方のドップから発砲された30ミリバルカンが機体の左の主翼と水平尾翼に直撃してしまい機体のコントロールを失い始め出す。
「ええいクソっ!?トリントンコントロール聞こえるか?こちらは基地守備戦闘機隊の第一小隊二番機のカノウ少尉だ。パトロール中に敵機と接敵し被弾した・・・エマージェンシー!エマージェンシー・・・」
カノウ少尉と名乗ったパイロットは必死に機体を立て直そうとするが鳴り響くロックオンアラームに無理か!と叫ぶと足元にある緊急脱出装置のレバーを引きベイルアウトする・・
「ごめんな・・・」
脱出した直後にドップにより放たれたミサイルにより爆発した愛機に敬礼しながパラシュートでヒラヒラと海面に着水すると、辺りを見回しながら、海水浴か…サメに襲われませんように…とにかく祈った。
「普段は神なんか信じちゃないけどね・・・・」
そう呟いた僕は大分日が傾いた空を見ながらハァ・・・と溜息をついた・・・
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