僕のホシの物語

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「なんか、空から降ってきたわ!」  一人の女が言うと、隣りにいた女も空を見上げる。その時、偶然空から降ってきたものが彼女の口に入った。 「水よ、水。これをためておけば必要なときに水が飲めるのよ!」 「まあ、みんなにも伝えてくるわ!」  女は走っていく。    ◇ 「喜んでるみたいだよ。……そっか、このホシに住むヒトは水がないと生きていけないんだ!僕たちみたいに何もしないでも生きていけるわけじゃない。水を飲んで何かを食べないと生きていけないんだ」  僕は頬杖をついてホシを眺める。アミは飽きたみたい。少し離れたところでお昼寝してる。 「そういうふうに作ったのは貴方でしょう?」 「あれ、アミ起きてたの?」 「貴方の興奮した声聞いてたら目が覚めたのよ」  僕の声、大きかったかな。 「ヒトには始まりがあって、終わりがある。僕たちと違って何千年も何億年も生きていられないんだ。必死に生きるところが“ヒト”らしいよね」 「そのヒトを作ったのも貴方でしょう。貴方が言うならそれがヒトなんでしょうね。自分たちと同じ形にまでして。私ならやらない発想だわ」  僕はまたホシを見守る。
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