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「あー。頭が痛い。雨の日ってどうしてこうなのよ」
学校の窓際で少女が机に突っ伏してぼやく。
「あんたはそうなるんだよね。私は体がだるくて何もする気がおきない」
三人目の少女が胸を張っていう。
「私は雨の日は平気よ。ただ雪の日は眠くなるわね。今日眠いから雪になるかも」
「あー、ね。今日寒いし」
少女が窓の外を見ると、空から降っているものは雨ではなく雪だった。
「おー。さすが人間天気予報。雪降ってるわ」
「うわー。帰り電車動くかな」
そこでチャイムがなった。少女たちは自分の席に戻っていく。
◇
「……アミ、見てた?これが僕がアメを入れた結果だよ。結局なきゃ困るのに嫌だって言うんだ。ヒトだってショクブツだって水がなかったら生きていけないのに」
僕はホシを転がす。僕がホシを作ってからどこくらいが経っただろう。僕が最初に作ったヒトはもうとっくの昔に終わりを迎えている。
「メグ、落ち着いて。貴方、また……」
アミの声が遠のいていく。僕は一つの殻の中にまた閉じこもったようだ。真っ暗な部屋には僕とホシしかない。
「そんなに文句を言うなら、アメなんか無くしてやる。最後に一回だけ長い間アメを降らしてやろう。それが終わったら永遠に降らさないんだ」
黒い部屋で僕はクツクツと笑う。
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