僕のホシの物語

1/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

僕のホシの物語

「ねえねえ、アミ。見てご覧よ、さっき作ったホシ」  僕はさっき作ったホシを指さした。アミは僕の指差す星を見てくれる。 「このホシがどうしたのよ、メグ。今まで作った星と特に何も変わらないじゃない」 「そんなことないよ。僕の作った星に今までなかった要素が入ってるんだ」  僕は手のひらの上でホシを転がす。青と緑で出来た小さなビー玉。こんなのがホシだって信じられる? 「それはね、このホシは空から水が落ちてくるんだ」 「なんのために?」 「綺麗じゃないか。植物に乗る水滴。空から線状に落ちてくる水滴。そうだな……僕たちの名前から取って『アメ』と名付けよう。空から水滴が落ちてくるのはアメだ」  僕はワクワクしていた。このホシに作ったヒトたちはどんな反応をするだろう。喜んでくれるかな?こんなに美しいんだもの。 「ふーん。アメ、ね。私は想像も出来ないわ。空から水滴が落ちてくるなんて」 「じゃあ実際に見てくればいいじゃない。僕、送るよ?」  アミは首を振る。 「いいわ。直接入り込むのは好きじゃないの」 「そっか。僕は入りたいけど、自分が作った星には入れないからなあ」  この中のヒトは楽しんでくれるかな。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!