入学式

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そうこうしているうちに入学式は始まり、あっという間に新入生代表挨拶になった。 れおは堂々と挨拶を言い切って舞台裏に戻ってきた。 在校生代表の人は2年生の人で、在原(ありわら)奏多(かなた)という人らしい。 優しそうな先輩だった。 なんて思っていたは任命式が始まって、いよいよ出番が迫ってきた。 ちゃんとやれるかな… 不安で怖くていっぱいだけど、生徒会のみんながいればきっと大丈夫、と自分に言い聞かせて舞台へと上がった。 舞台へ上がるとたくさんの人の顔が見えた。 みんな新しい生徒会に期待と好奇心のこもった目を向けていた。 しかし、おれにはーーー 『春くん?こっちにきて?』 違う。 『気持ち悪いんだよ』 ちがう。 『ははっ』 やだ。 ーあの時の目にしか見えなかった。
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