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ふゆくんと話していたら終了時間まで1時間を切っていた。
案外見つからないものだね。
結局ふゆくんはぼくを捕まえないのかな?
「捕まえちゃってもいいんだけど…春くんは逃げ切った景品の食堂無料券が欲しいんじゃない?」
「あ…!」
「ふふっ忘れてたの?」
笑われてしまった…
確かに、ふゆくんの言う通り食堂無料券が欲しいから逃げ切らないと!
その時、調理室の廊下が騒がしくなった。
遂にバレちゃうのかな…?
「春くん、隠れよう」
ぼくたちは窓に近い調理台の下に隠れた。
足音が段々と近づいているが、どうやら全ての調理台の下を見ているようだ。
てことはこのままだと見つかっちゃう!?
「見つかるのも時間の問題だね…早めに隙をついて逃げなきゃ…」
ぼくたちは鬼の人が机の下を見始めた頃を見計らって窓から一気に外へ出た。
鬼の人にバレてるかは分からなかったけど、とにかく逃げなきゃ!
ぼくたちは中庭から植物園に向かい、植物園に着くと、ベンチに座った。
植物を見ていると落ち着いてきて、今度は眠くなってきた。
子供かな?
でも、ふゆくんなら許してくれると思って、隣に座っているふゆくんの肩にそっと寄りかかった。
すると、ぼくの様子に気付いたふゆくんが肩に乗っけていたぼくの頭を膝において、頭を撫でてくれた。
頭を撫でられるのは好きだけど、ふゆくんに撫でられるのはもっと好き。
幼い頃から支えてくれて、大好きなふゆくんにされるのはとても安心する。
そうした安心からぼくはいつの間にか眠っていた。
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