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とんでもない大騒ぎを起こした新入生歓迎会から1週間、愛瑠くんが生徒会に入ることは保留となった。
あの宣言の後、愛瑠くんの生徒会入りに賛成したのはおれだけで、ゆうは反対してたし他のメンバーは人柄が分からないから…と保留の姿勢をとっていた。
珍しく、本当に珍しく面白いことが大好きなすずとゆずも躊躇ってた。
なんでおれは愛瑠くんの生徒会入りに賛成かって?
んー…みんなにも言ったけどわかんない、が正解かなぁ…
でも、愛瑠くんは生徒会に入ってもなんだかんだ上手くいくと思うんだよね…ゆうとは相性悪いかもだけど…
愛瑠くんは純粋で素直なだけ。
ちょっとだけおれたちとは常識がズレている節はあるけどおれには愛瑠くんが悪い子に見えない。
そう伝えると、ゆうは渋々と言った感じで様子見して見ましょう、って引き下がってくれた。
それで、いい機会だからおれたちと愛瑠くんが一緒にお昼ご飯を食べる時に生徒会のみんなと愛瑠くんで集まればいいんじゃないかなって、提案してみた。
面白い事好きの双子はノリノリで、れおもノリノリだった。
だから、今日の昼にみんなで食堂に集まることに決めたんだけど…
「なんでお前がいるんだ???」
「それはこちらのセリフだろう。俺は普段から食堂で取っている。俺がここにいるのはなんの不思議も無いはずだ。お前こそなんで今日はこちらに来ているんだ」
「はるが誘ってくれたんだよ。いつも食堂で食べてんのか?はっこんな騒がしいところで食べれるなんてお気楽だな」
「それはここに誘ってくれたという春に対しての悪口とも取れるが?」
そう、普段から食堂で昼食を取っているれおの天敵、風紀委員長のなつがいた。
隣にはいつも通り苦笑いを浮かべたあき。
口パクで「うちの委員長がすみません」と言っている。
噛み付いたのはこちらの会長なので、こちらこそ申し訳ないと副会長が頭を下げている。
2人とも別に仲が悪いわけじゃないんだけどなぁ…
致命的に不器用というか相性が悪いというか…
目と目があったらポケ○ンバトル!みたいな容量で口論を始めてしまう。
呆れた表情で2人を見ていると、大きな音を立てて食堂のドアが開いた。
ちなみに、午前中はおれたちは新歓の後始末などで忙しかったので生徒会室に行っており、教室には今朝、昼は食堂に集合と伝えるためにしか行っていない。
だから、愛瑠くんとは別々で食堂にやってきたのだが…
大きな音を立てたドアを進んで堂々と登場したのは愛瑠くん。
相変わらず髪の毛はモサモサしていて、顔はほとんど見えない。
その左右に陣どるのは、鋭い目付きの男の子と、爽やかな雰囲気の男の子。
なんか愛瑠くんが1番小さいからまるで水○黄門みたいだな…と思ったのは内緒。
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