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おれから見て愛瑠くんの左側に立つ鋭い目付きの男の子は多分隣のクラスの秋月 狼くん。
名前の通りオオカミみたいな男の子だ。
ちなみになぜ隣のクラスの秋月くんを知ってるかと言うと、昔、れおに生徒会たるもの、全校生徒の名前と顔を一致させるようにしよう!みたいなブームがあって小学校からの内部生なら顔と名前がバッチリ一致するようになったからだ。
中学校からの外部性はまだちょっと怪しいけど小学校からずっとこの学園に通ってる人は他学年でもバッチリだよ…!
そして右側に立つ爽やかな男の子は今井 颯太くん。
確かテニス部のエースで、全国大会に行く程の腕前とか…
彼も小学生から一緒だからわかるんだ…
2人に挟まれて食堂に入ってきた愛瑠くんだったけど、おれたちを見つけた瞬間に2人を置き去りにするかのように走りよってきた。
2人とも置いていかれて少しびっくりしてる。
「またせたか!?」
「…声が大きいです。あまり待っていないので気にしないでください。春から聞いているとは思いますが、今日はあなたが生徒会に入るにふさわしいものかどうかということを見極めさせていただきます」
「?今日だけで決めるのか?」
「そんなわけないだろう…これから1週間ほどお前のことを見させてもらう。その結果で生徒会に入るかどうか俺ら全員で決めるって感じだ」
先程までなつと喧嘩していたはずのれおがこちらに来ていた。
れおが言った通り今日だけで決めるわけじゃない。
まあ、ゆうは今日だけで生徒会入りを阻止しようと全力で粗探しする…とか言っていたけれど。
それは置いておいて、これから1週間食堂で昼食を一緒に取ったり、時間がある日の夕方に生徒会役員の仕事を手伝ってもらったりすることで愛瑠くんの生徒会入りを決めようってことになった。
それだけじゃなく、愛瑠くんとおんなじクラスのおれたちはクラスでの様子なども見て報告することになってる。
「愛瑠」
「あ、狼」
「急に走るな」
「急に走り出すからびっくりしちゃったよ」
「ごめん!待ち合わせしてたし遅れちゃったから急がなきゃって思って…」
狼くんと颯太くんが合流して、また愛瑠の両隣にくっついた。
心做しかこちらを見る目が少し怖いような…?
ちょっと怖くなって隣にいたのあの袖を掴んじゃったけど、直ぐに気付いてくれて手を握ってくれた。
のあの手は暖かくて気持ちいい。
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