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寮から出るためにエレベーターに乗り込む。
ー私立桜崎学園は、全寮制男子校だ。
また、お金持ちのご子息たちが多く通うため設備がとても整っており、2人が今いる寮も普通の寮では無い。
寮は2人1部屋となっており、共有スペースと寝室兼個人スペース2部屋の3部屋からできている。
共有スペースにはキッチンやトイレ、風呂などがあり、備え付けのテレビやソファなどもあり、リビングのようになっている。
個人スペースはベッドと机がある以外生徒が自由に家具を配置することが出来る。
また、一般生徒とは違う場所に、役員寮が存在している。
役員寮では一人一部屋で、リビングと寝室がある部屋を使うことが出来る。
また、役員寮に入るにはエントランスでカードキー認証または要件確認が行われるので、一般生徒が入るのは難しい。
春とノアが住んでいるのはもちろん、役員寮である。
エレベーターが1階につき、2人は出口に向かい歩き出した。
「今日の入学式では新入生代表挨拶ってれおくんがやるんだっけ?」
「ん…」
「じゃあ、僕達は任命式の時に出てきて一言話すくらいかな?」
「そ…おも……あん…しん」
「そうだねー。僕達話すの苦手だもんねー」
「のあ…そ…なこ…と…ない…じょう…ず」
「そう?だったら嬉しいなあ…」
ノアは照れたように笑ってスキップした。
ノアは、普段どんな人にでも距離が近くて、チャラい、ナルシストと言われがちだが、イギリス人の父親の影響で他人との距離が近いだけなのだ。
また、見かけによらず素直で、褒められることに慣れていないのだ。
生徒会の中でも1、2を争う程に純粋で親しい人からは天然王子様と言われている。
2人が5分ほど歩くと校舎が見えてきた。
「…ん?あと15分しかないや!はるちゃん、急ごう!!」
約束の時刻まで15分。
遅れてしまうと時間に厳しい副会長に何を言われるか分からないので、2人は足早に校内へと入っていった。
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