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「ぅ、ハウスト……」
「ああ、ここが好きだったな」
「あッ、ん……ッ」
指がゆっくりと挿入されました。
前を扱かれたまま後孔には指の異物感。その複雑な感覚に太腿をぎゅっと閉じようとしてもハウストの体を足で挟んでしまうだけ。
「ん、ぅ……あッ」
指が奥へと挿入されて弱い場所を掠めました。
うっと息を詰めてやり過ごそうとしても、そこを知るハウストが集中的に攻めだしてしまう。
「ああ、ハウスト……!」
咄嗟にハウストの腕を掴む。
でも振り払うことはできず、ぎゅっと握り締めてしまう。
抵抗も出来ずにされるがままで指が一本から二本へと増やされました。
「あ、んん……ッ、ぅ、あ、あ」
内壁を擦られ快感が高められました。
同時に前の性器も扱かれて、前と後ろからの快感に昂ぶりが限界に近づいていく。
「ンンッ、ああ……ッ!」
ひと際高い声。
呆気ないほど簡単に達せさせられて、私の体はくたりとソファに崩れました。
「やはりいつもより早いな」
「し、仕方ないじゃないですかっ。だってっ……」
恨みがましくハウストを睨んでしまう。
でも荒い呼吸と目尻に滲んだ涙の所為で迫力なんてありません。
しかしやっぱりハウストのせいです。私はそんなつもりなかったのに、あなたが。
「特に何も使ってないんだが」
「えっ?」
唖然とハウストを凝視します。
そんな私にハウストは少し居心地悪そうに目を逸らす。
「……その、言ってみただけだ。俺は何も使ってないぞ」
「なっ、なんですかそれ! 私は、てっきりっ……!」
てっきり媚薬を盛られたのかと……!
だから、こんなっ、こんな!!
「し、信じられません! 私を騙してたんですか?!」
「こら、騙すなんて人聞きの悪いことを言うな。ちょっと言ってみただけだ」
「それを騙すと言うんです!」
あなたのせいです。
あなたのせいで、私はこんなっ……。
悔しさと羞恥で視界がじわりと滲む。
感情が昂る私をハウストが慌てたように宥めてくれます。
「俺が悪かった。ほんとに悪かったっ」
そう言ってハウストが私の目尻に唇を寄せる。
もちろんそれくらいで誤魔化されてあげる訳がありません。私にも意地というものがあります。
顔を背けると、ハウストが「お、おいっ」と焦りだします。
「ブレイラ、俺が悪かった。顔を見せろ」
「……知りません」
逃げるように体の向きまで変えて彼に背中を向けました。
完全に拒絶の体勢になると背後の彼は更に焦りだす。
「ブレイラ、頼むから顔を見せてくれ。俺が悪かった。本当に悪かったと思っている」
弱りきったハウストの声。
強引に暴くこともできるのに、「俺が悪かった」と一生懸命私を宥めようとしてくれる。
そんなふうにされたら……許すしかないじゃないですか。
ちらりと背後のハウストを見る。
「……反省してますか?」
「もちろんだ! 心から反省している!」
意気込んで言われて、……どうしましょう。なんだかおかしい。
でもまだ怒っている振りをして呆れたような顔をつくります。
「……仕方ないですね」
「許してくれるのかっ」
ハウストの顔がぱっと変わります。
ほっと安心したような嬉しそうな顔に、やっぱりおかしくなって私も顔を綻ばせました。
「悪いと思っているなら責任とってくださいね」
「ああ、喜んで」
ハウストは私の手を取って恭しく唇を寄せてくれる。
そしてそのまま手を引いて、私の背中と膝に手を回して抱き上げました。
横抱きにされて私もハウストの首に両腕を回す。
彼はすっかり上機嫌でベッドに向かう足取りが軽いです。
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