【夏の番外編】夏だ!海だ!とりあえず自撮りだ!

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 お腹がいっぱいになった。ゴロゴロしたい。  それを察知したのかマナトくんが「そろそろお風呂入ろっか」と言う。 「そうだね」面倒になりそう。と言うか、既に面倒。  私とマナトくんは、お部屋のお風呂に入る事にした。  他の皆んなは、1階の大きなお風呂にそれぞれ交代で入るようで、着替えを取りに部屋に戻り、順番を待っている間は、ソファでお喋りしておこうと言っていた。 「私は、ちょっと眠くなってきてるから、お風呂に入ったら寝ちゃうかも。なので、皆さんおやすみなさぁい」 メ「あ、そかそか!おやすみ!また明日!」 萌「そっかぁ…おやすみ…シアン…お疲れ様〜」 理「ゆっくり休んで?おやすみ」  男子達は、誰からどの順番で入るか決めているようで、こっちをチラッと見て、軽く手を挙げてくれた。 『ふふふふふ。真剣過ぎてウケる…』 『だね。俺もあんなだったのかな…。気を付けよ…』  階段を上り切ったので、普通の声で話す。 「ん?マナトくんはいつもスマートだったよ」 「そうかな?シアンが好き過ぎて、いつも必死だったし過呼吸起こして倒れそうだった。別に今もだけど」 「え?そうなの?全然分からなかったよ。今もなの?ならもっと必死感出してみてよ」 「いや、出てたはずだってば。今も出てるって」 「えー?貴族か!って言うくらい顔色変わってなかったし、なんて言うか…悠然と構えてると言うか…常に受け身だったような…」 「そんな事ないって。ガツガツしてるって。シアンの思い出補正機能、高性能過ぎてもはやバグじゃん」 「そんな事あるかいっ!」 ***  バスタブにお湯を張って、ゆっくりと身体を温める。 「きっと皆んなドキドキしてるんだろうなぁ…。ふふふ。どんなだったか明日聞いてみよう」 「そうだね。でも、トミー以外は本当に指一本触れてなさそう」 「あー。碧ちゃんは…まぁ普通に抱き付いてそうだよね…」 「…めちゃくちゃな事はしないだろうけど…理沙ちゃんが1番心配…」 「あはは、理沙の事心配してくれてありがと。…うーん。きっと大丈夫だよ」  髪を洗ってもらい、私もお返しにマナトくんの髪を洗わせてもらった。  やっぱりお湯が顔に掛かりまくってしまったけど、笑って耐えてくれた。  その日は、ベッドに横になったと思ったら朝だった。  朝方、白いワンピースを着た背の高い女の人が何度も起こしに来た気がするけど、マナトくんは知らないと言っていたので、夢だったのかもしれない。
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