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昼は、食材が余るともったいないので、BBQをする事にした。
食べ始める時に、管理人さん (仮)が通りかかったので、「一緒に食べませんか!?」と誘ってみたら、少し考え「…では、後ほど来させていただきます」と礼をして去って行った。
しばらくして、スーツのまま戻って来た管理人さん (仮)
「上着脱がれませんか?汚すといけませんし」
「お気遣いありがとうございます」と上着を脱いでイスの背中に掛けている。
「食べられない物はありませんか?」
「いえ、何でも食べられます」
良い感じに焼けたお肉や魚介類をマナトくんが取り分けてくれたので、「どうぞ」と、それを渡す。
「ありがとうございます。いただきます」
「いえ。いつもこちらにいらっしゃるんですか?」
「いえ、いつもは別の仕事を任されております」
そーだろうなぁ!
その体格で別荘の管理人は無理がある。普段は…格闘技の選手かな。もしくは殺し屋。
「あぁ、そうなんですね。今回はありがとうございます。おかげで快適に過ごせました」
「いえ、私も良い息抜きになりました」
「普段はどんなお仕事を?」
「まぁ、…平たく言えば人の管理です」
平たく…?人の管理…。とは?
管理人…。ぷぷ。
「そうなんですね。大変そうですね」
「えぇまぁ」
「用意して貰ってる側が言うのもなんなんですが、いっぱい召し上がってください。
あ、夜もBBQするので、是非いらしてくださいね!」
管理人さん (仮)は微笑して軽く頷いてくれた。
その後も皆んなで管理人さん (仮)と話た。歳はいくつか聞いてみたら、28歳だと言った。穏やかで凄く落ち着いているので、もう少…いや、もっと上だと思っていた。
颯太くんが、どうやって身体を鍛えてるのか聞いて筋肉の話で盛り上がっていた。
***
予定通り夜もBBQをして、暗くなってから、キヨくんが準備してくれていた花火をした。
せっかくなので、管理人さんも花火を一緒にしないか誘ったのだが、これから少し行かないといけない所があるとの事。残念。
花火なんて久しぶりだ。いつ以来だろうか。皆んなでするとホントに楽しい。
颯太くんが、打ち上げ花火をいっぱい並べて手持ち花火で一気に着火という暴挙に出た。
密集させ過ぎて導火線から飛び出す火花で足元が大変な事になってて大笑いした。
皆んな大はしゃぎだった。
「ヤバいヤバい見て見て?」と言われて何かと思ったら、颯太くんのすね毛が所々燃えて、ちりちりになっているのを見てまた笑い転げた。
「見て見てー!星凄い!」
メグに言われて空を見上げる。
とんでもない数の星で空が埋め尽くされている。
「え?…夏の大三角とやらは?どれ?もう何が何やら分からんのだが…」
「えーっと…。こっちが国道で…。こっちが東だから…」
「あー。あの辺りの凄い光ってるヤツと…」
はぁ…全部光ってんぜ?
「全然分かんないね!」
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