3人が本棚に入れています
本棚に追加
白装束に着替えたあの人が部屋に入って
来た。綺麗だな、と思った。
純白が似合う。
「ねえ、土方君」
「あ?」
「今日は私達が京へ上ってきた日だよ」
何故だろうか、目を合わせることが
出来ない。
彼奴の目の前にある短刀を見つめる。
此奴は今から此れを腹に刺して死ぬのか、
そんな事を考えながら
「…そうだな」
と返事をした。すると外から足音がした。
女だ。明里といったか、此奴の女だ。
彼奴は必死に謝っている、女は泣いて
いる。
しばらく沈黙が続いた。
最初のコメントを投稿しよう!