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 春斗の着ていたTシャツは大きくめくれあがり、半裸の状態になっていたが、葵の手により身体を横向きに傾けられた後、ボトムもろともに取り除かれ、下着も取られ、片脚を広げられた。  そして葵の細い指が、確かめるように春斗の薄い腹をたどり、睾丸を通り過ぎ会陰をたどって尻を割り、菊座にたどり着く。無機的な手つきで人に触られたことのない場所を暴かれ、生理的な嫌悪を憶えたが我慢した。  葵は構わずに、ドラッグストアで購入したローションを手に取って指の先で入口の粘膜をゆるゆると撫でる。その感触に胸がざわざわし、決して快感とは言いがたい感情が這いのぼり、我知らず、呼吸が速くなっていった。 「ここに……」  もう手を離して欲しかった。身体を捻れば指ははずれるだろう。だけどそうしたら、きっと葵は二度と触れてくれなくなる。 「ねえ、ここに、俺のが入ると思う?」  思わない。絶対に無理だ。  こうやって粘膜を触られているだけで気持ち悪いのだ。これを広げて、どのくらい広がるのか分からないが、そこに葵の怒張したものを挿入するなんて、きっと身体が裂けてしまう。  荒い呼吸の中、絶望でひくっと喉が鳴り、悔しくて涙が出てきた。
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